【乙女ゲーム紹介】遙かなる時空の中でー八葉抄ーをできるだけ詳しく解説してみる
今回のゲームは、
「遙かなる時空の中でー八葉抄ー」
2000年に光栄(現コーエーテクモゲームス)から発売されたPS版ゲーム「遙かなる時空の中で」に追加要素を加えたPS2リメイク版。
アンジェリークシリーズを手掛けたルビーパーティーの二作目の乙女ゲームとなる。
新しくEDが一種類追加されたほか、攻略対象として鬼の首領、アクラムとの恋愛が追加されている。
画像もとても綺麗になり、今も続く遙かシリーズの原点が楽しめるので、遥かを初めてプレイする方にぜひおススメしたい一作。
【ゲーム内容】
不思議な古い井戸から、「京」という異世界に入り込んでしまった主人公、元宮あかね。「龍神の神子」として特別な力を持った彼女が、八葉と呼ばれる仲間たちと一緒に、怨霊を召喚し京を支配しようとする鬼の一族に立ち向かい、京を守る戦いを繰り広げていく。
ゲームは章形式で進んでいき、一章と最終章を除きそれぞれ十日ほど自由行動が可能。怨霊を倒したり、札めくりと呼ばれるミニゲームを行い、八葉たちと絆を深めていくと、恋愛イベントを楽しむことができる。
【ゲームの流れ・システムなど】
OPはアニメで展開される。
魔界に通じているという不思議な井戸の噂を聞いた主人公は、同級生の天真・後輩の詩紋と共に見に行くことに。
不思議な光に包まれ、気が付くと見たことのない異世界「京」に辿り着いてしまっていた三人。なんやかんやあり、主人公は「龍神の神子」として京を救って欲しいとお願いされる。
もちろん断れるわけもないので、ここから龍神の神子としての戦いが始まっていく。一章はこの初日のみ。一章で八葉(恋愛対象の男性たち)に一通り会い、まずは京を救うために「四方の札」を探して欲しいとお願いされるので、最初にどの札を探すか選択して、一章が終了する。
二章からは自由行動が始まる。
毎日朝にどの八葉と行動するか(二人まで選択可能)を選び、一緒に出掛ける。あまり仲が良くないうちは、何らかの理由で八葉が不在で選択できないことも多いが、基本的にランダムなので前日からやり直せば選択できることも。(ただし、絶対に不在になってしまう場合もある)
一緒に行動すると絆(想う心、信じる心)が上がるので、恋愛を進めたい八葉を選ぶのが基本。ただし、その章ごとに設定された課題があり、それをクリアするために必ず特定の八葉と行動しないといけない場合もある。
行動できるのは一日三回。怨霊がいる場所はまず怨霊を倒すか封印しないと、そこで行動することができない。怨霊を倒すと、その場所でイベントを起こしたり、「札めくり」をしてアイテムを手に入れることができるようになる。
戦闘はターン制で行われる。主人公は自分で攻撃をしたり、八葉を応援したりすることで戦闘に参加をする。戦闘の難易度はかなりヌルめなので、ゲームが苦手な人でも安心。ただし、札めくりをして回復アイテムを手に入れていないと少しキツい場合もあるので、こまめに札めくりをすることをおススメしたい。
ちなみに、戦闘中、好みの応援をしたり、術を使ったり、回復をすることで八葉との絆が上がっていく。
戦闘に勝って怨霊がいなくなると、その土地で札めくりをすることができる。一人一回ずつ、計三回のうちに全部めくれたらパーフェクト。ペアにできたものはその時点で入手することができるので無理に狙うことはないのだが、パーフェクトを達成すると同行した八葉の絆が上がるので、基本はパーフェクト狙いで頑張るのが吉。
特に複数同時攻略を目指したい場合は、ほぼ必須となる。
ちなみに、土地にも属性があり、同じ属性の八葉は一回多くめくれるので、ある程度計画を立てて同行八葉を決めるのがおススメ。
一回多いだけで難易度が全然違うので。(三回しかないとミスがだいたい一回しかできない。2~30回のロードは当たり前…)
一章あたりの日数は12日。この中で、強制的にストーリーイベントが起こる日が3日あり、一日行動できない「物忌み」という日があるので、実質自由に行動できるのは一章につき8日間。つまり、8×3で24回行動できる。
この中でストーリーに必要なイベントをこなしながら八葉との絆を上げていくことになる。一人二人くらいならかなり余裕をもってプレイできるが、全員攻略を目指すとなるとかなりハードスケジュール。計画書作成をおススメするレベル。
まとめると、24回の行動の中でストーリーイベントに必要な場所の怨霊を倒す→イベントを起こす→目標を達成したら残った時間で恋愛を進める→章クリア、次の章へ、というのが基本的な流れになる。
ただ、前回紹介したアンジェリークとは違い、自動的に物語は進んでいくのでEDを迎えること自体は難しくはない。
特に誰とも恋愛を進めなかった場合のEDももちろん存在する。
【恋愛要素】
八葉抄で恋愛EDが迎えられるのは、仲間である八葉と、敵であるアクラムの計9人。
アクラムは、この八葉抄から追加で攻略が可能となった。
(藤姫やランとも友情EDを迎えることができるが、ここでは言及しない)
・八葉との恋愛
八葉との恋愛は、大きく分けて二種類。
「心のかけら」を全部で4つ集めて起こす通常恋愛(全部で四段階目まで)と、ストーリーと連動して起こる急展開恋愛(全部で二段階目まで)。
どちらかを起こせばEDを見ることができる。
ただし、急展開恋愛はストーリー展開によって、天の八葉か地の八葉、どちらかとしか起こすことができない。
心のかけらを集める通常恋愛は、かけらを入手すると、後日イベントが起こる。ちなみに、この恋愛イベントが起こると丸一日使うため、後先考えずにイベントを起こしまくると、あっという間に日数が足りなくなる。
三つ目のかけらまでは特に制約なく入手することができるが、最後の四つ目のかけらに関しては、かなり高めの想う心・信じる心が必要。だがこれも、一人や二人ならそこまで苦労することはない。
何度も言うが、複数攻略を目指す場合は、計画書作成がおススメ。
(一周が長いので、私はどうしても一回でたくさん攻略したくなってしまう笑)
一方、急展開恋愛は、心のかけらを集めず、想う心と信じる心が規定の値を満たしていれば六章から発生する。ただし、五章の最後に選択する、「天の八葉」or「地の八葉」の選択によって、どちらかとしか起こすことができないため、一章の段階でどちらにするか決めてから攻略していった方がいい。
急展開恋愛も、一段階目はイベントに一日消費するため、 複数攻略していると六章~七章はめちゃくちゃ忙しい。気が付いたらあと一日しか自由行動できない、となって絶望したことも数知れず(←自業自得)。
ただ、急展開恋愛に関しては、二段階目はストーリーイベントからの派生か、一日の行動が終わった夕方~夜に起こるので、日数を消費しない。これ、ほんとにものすごく助かる…!!!!!!
そして通常恋愛・急展開恋愛ともに、最後までイベントを発生させることができると、十章でアクラムと最後の対決をした後に、それぞれのEDへ進む。
EDは全部で三種類。
①京に残留するED
②一緒に現代に帰るED
③八葉抄ED
①と②は最終決戦後のとある選択によって変わる。③は最終決戦の前夜にあるイベントを起こすと迎えることができる。
・アクラムとの恋愛
アクラムとの恋愛は、八葉とは全く違う方法で進めていく。
怨霊を封印すると、その土地の力が神子のものになるのだが、これを期限までに規定値まで上げることがイベントの発生条件。
つまり、「たくさん怨霊を倒して強くなる」ことが大切。
アクラムは神子の力を欲しがっているので、より強い神子が好きな模様。
アクラムルートでは、神子がこっそり一人で行動することが多いので、八葉や藤姫に心配をかける場面が多く、若干良心が痛む。まぁでも、恋愛ってそういうものだから仕方ない。
アクラムとの恋愛が進んでも、メインストーリーには特に変化はなく、最終決戦で対決しなくてはならないことも変わらない。
そして、最終決戦においてとある選択をすることによってアクラムとのEDを迎えることができる。
【まとめ・おすすめポイント】
乙女ゲーム界に、おそらく初めて雅で和風な世界観を取り入れた作品。今となっては、色々な時代のタイムスリップ異世界ものが数多くあるが、その原点となっていると思う。お香や花、歌など、細かい部分にもこだわりが見られ、すごくしっかり作りこまれている。
また、「京」は現実の京都とそっくりな舞台設定なので、実際聞いたことや行ったことのある地名でキャラクターたちが行動しているのも楽しさの一つ。キャラクターも一人一人が魅力的で、それぞれの抱える悩みや問題をイベントを重ねることで共有して、さらに乗り越えていくことで愛着が生まれていく。
遙かなる時空の中でシリーズは、3以降システムが大きく変わったが、個人的は一日一日進んでいくこのシステムもおススメ。
また、頑張れば複数攻略(全11股も可能…?)もできるので、自分のさじ加減で難易度が全く変わってくる点も面白い。
間違いなく乙女ゲームの歴史に大きな一ページを残した作品なので、ぜひプレイしてみてほしい。
次回以降は、各キャラとの恋愛を詳しく解説していきます。
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